『三労連 四国の環境とエネルギーを考える会』は、「2021年度 環境・エネルギー関連施設見学会」を4月14日(木)に開催し、四国各地から14名が参加した。四国電力総連からは5名が参加し、見学をつうじて知見を広げるとともに、加盟産別相互の連携を深める機会となった。 | |
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三労連 四国の環境とエネルギーを考える会は、電機連合・基幹労連・電力総連で構成されており、四国地方におけるエネルギープラントの設計・建設、運転・保守に直接携わる労働者の立場で、原子力をはじめとするエネルギー・環境問題に関する意見交換や調査研究等の諸活動を目的として、平成5年4月に設立し、これまで施設見学会やエネルギーシンポジウムを開催し見識を深めるなど、諸活動を展開している。 本施設見学会では、基幹労連香川県本部をつうじて、川崎重工株式会社のご協力のもと「神戸液化水素役実証ターミナル」を見学し、2050年カーボンニュートラル達成に必要とされる水素の現状と課題等について説明を受けた。 |
施設見学に先立ち挨拶を述べる橋本会長 |
説明のなかで、2050年カーボンニュートラル達成に向けて不可欠な水素を「つくる」「はこぶ・ためる」「つかう」といったそれぞれの分野で取り組みが進められていることが紹介された。 「脱炭素社会」を支えるための水素燃料の需要に対する供給ポテンシャルの見通しとして、国内製造の水素量は需要総量の1%程度と極めて少なく、水素燃料についても海外に依存することとなる。 このため、川崎重工業をはじめ日本国内7社で構成する技術研究組合 CO2水素サプライチェーン推進機構(略称:HySTRA)を組織し、褐炭を有効利用した水素製造、輸送・貯蔵、利用からなるCO2フリー水素サプライチェーンの構築と、2030年頃の商用化を目指した技術確立と実証の取り組みを2015年から行われている。 水素を「つくる」にあたっては、豪州で採掘される未利用資源の「褐炭」を使用し、現地にて水素を作り出す技術が開発されている。 今回見学をした「はこぶ・ためる」の実証実験として建設された神戸液化水素荷役実証ターミナルでは、昨年12月に、液化水素を運搬するために川崎重工業㈱が造船した「すいそ
ふろんてぃあ」が豪州に向かい、褐炭で作り出した液化水素を積荷した後、2月にターミナルに帰港し、その後、船から液化水素タンクに液化水素を充填保管するまでの工程について、世界初となる実証実験に成功している。 「つかう」の実証実験では、神戸ポートアイランドに水素ガスタービンによるコージェネレーションシステムを建設しており、水素と天然ガスを燃料とする1MW級ガスタービンを核としたシステムで、電気と熱の供給を実際の市街地で行う世界初の取り組みが行われている。 水素社会の普及に向けては何よりもコスト低減が必要であることから「はこぶ・ためる」の行程においては、今後の取り組みとして、実証実験を踏まえ1度の運搬で大容量の液化水素を運搬受入れできるよう、運搬船や液化水素タンクの大型化を進めていくとのことであった。 今後も「三労連 四国の環境とエネルギーを考える会」において、各組織が連携を図りながら活動を進めていくこととしている。 |
✤ これまでの活動 ○「環境・エネルギーシンポジウム」の開催 ○加盟産別の施設見学会 ・三菱マテリアル直島精錬所 ・三菱電機㈱受配電システム製作所 ・パナニックエコテクノロジーセンター など ○発電に関連する施設見学会 ・四国電力㈱伊方発電所、橘湾発電所、坂出発電所 ・関西電力㈱大飯発電所 ・日本原燃㈱原子燃料サイクル施設(六ヶ所村) など |