電力総連は、去る1月28日(木)に開催した2020年度第1回中央委員会において、電力総連2021春季生活闘争方針を決定し、これを踏まえ四国電力総連は、去る2月5日(金)の第9回執行委員会において、2021春季生活闘争方針を決定しました。
今次春季生活闘争は、連合方針や電力関連産業を取り巻く情勢を踏まえ、コロナ禍という誰も経験したことがない環境にあっても、電力の安定供給等を通じて社会機能を維持し、国民の安全・安心の確保に努めている電力関連産業に働く者が、将来にわたって安全で安心して働くことのできる環境を整備するとともに、その働きの価値に見合った処遇を確保することを目的としています。
そのため、雇用の確保を大前提として「生産性三原則」のもと、「人への投資」や「新しい生活様式に対応した上で人材の維持・確保につながる働き方の見直し」、「サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正配分」の実現に向け取り組んでいくことを確認しました。
現在、電力関連産業に働く者は、社会機能の維持に向け、感染予防に努めながら昼夜を問わず安定供給の確保に努めています。台風10号をはじめとする自然災害に際しては、早期復旧と感染リスク回避の両立に向け、極めて高い緊張感のもと、自らの作業安全の確保を前提に、電力関連産業に働く仲間が一丸となって懸命な取り組みを続けてきました。さらには、昨年末からの寒波や天候不順による電力需給ひっ迫に際しては、高経年化火力を含む発電所の稼働や高圧発電機車の運転に加え、広域的な電力融通の実施など、職場一丸となって危機的状況を乗り越えました。
一方で、コロナ禍において、社会機能を担うエッセンシャルワーカーの処遇のあり方が社会的に問われており、電力関連産業においても、すべての者の処遇を働き方の価値に相応しいものとしていくことが必要です。その基盤となるのは、生み出された付加価値を分配するための環境整備や働き方も含めた「取引の適正化」であり、これらは電力関連産業の持続的発展につながるものと考えています。
本日、四国電力総連を構成する各加盟組合は要求書を一斉に提出します。
具体的には、
1.賃金については、賃金カーブ維持分の確保を大前提とし、コロナ禍により影響を受けている電力関連産業の業績回復に不可欠な要素となる内需拡大に向け賃上げを起点とする「経済の自律的成長」実現に取り組むこと、コロナ禍において安定供給確保と感染症対策の両立に取り組み社会機能を維持し続けている組合員に報いること、産業の持続的な発展に不可欠な人材の維持・確保等を目的に、すべての加盟組合が月例賃金の引き上げに取り組むことで、「底上げ」「底支え」を継続・前進させる。さらには、めざすべき賃金水準の実現にこだわった取り組みを定着・強化させることで、「格差是正」を積極的に推進する
2.賞与・一時金については、年間賃金の一部として安定した生活を支える生活給部分を最低限確保することを基本に取り組みを進める
3.仕事と私生活の調和を図る取り組みについては、生活時間の確保を含む労働時間の短縮やライフイベントに応じた多様な働き方の実現など、仕事と私生活の調和がはかられる環境整備や、高年齢者や障がい者をはじめ誰もが安心できる労働条件や労働環境の確保、パート・有期等で働く者の待遇改善など、安全・安心に働ける職場環境整備に取り組む。
とりわけ、四国電力総連統一要求項目として、『勤務間インターバル制度の導入など十分な休息時間の確保に向け職場実態に応じた実効性ある制度導入や対策の実現』、『子の看護休暇・介護休暇の時間単位取得について法を上回る「中抜け」を認める取り扱いとなるよう取り組む』、『不妊治療と仕事の両立のための休暇等の環境整備に向けて取り組む』
こととしています。
今次春季生活闘争では、足元の労使を取り巻く状況のみならず、コロナ禍での社会構造の変革にも対応し、このコロナ危機をいかに乗り越えていくかという視点も踏まえ、マクロの観点からの所得向上や生活の安定と安心、労働意欲の向上やワークライフバランスなどを総合勘案した労働諸条件の維持・向上に向け、「労使の協力と協議」によって論議を深めて参ります。
貴社におかれましては、四国電力関連産業の健全な発展のためにも、働く者の雇用安定や人材の確保・育成の重要性について、四電グループ各社の共通認識を醸成していただくとともに、これまで培ってきた労使の信頼関係に基づき真摯な交渉・協議により平和裏解決が図られるよう、最大限配慮いただくよう申し入れます。
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