さて、大会の開催にあたり、この1年間の活動を振り返るとともに、次年度の活動等について述べさせていただき、本大会での論議の参考にしていただければと思います。
まず1点目は、安全衛生への取り組みです。
労働組合の使命は、社会情勢がどう変わろうとも「雇用を守り、組合員の命と健康を守り、その家族も含めた生活を守る」ことだと思っています。
昨年度、四電グループでは、作業災害が28件発生しました。各級機関の懸命な取り組みにも関わらず、依然として、「感電」「墜落・転落」など電力関連産業特有の重大災害に歯止めがかかっていない状況にあり、死亡災害こそ発生していないものの、一歩間違えれば重大な労働災害につながる事案も発生しています。労働災害の撲滅は労使共通の目標であり、何よりも最優先で取り組むべき課題です。安全衛生に関する取り組み事項の共有化を図るとともに、厚生労働省「あんぜんプロジェクト」への参画に向けた情報提供を行うなど、次年度も取り組みを強化していきたいと思います。
加えて、恒常的な時間外労働や休日労働の増加等に伴い、メンタルヘルス不調等も懸念される状況にあります。日常活動を通じての適正な労働時間管理や、メンタルヘルス対策の観点も踏まえた職場内コミュニケーションの重要性が、これまで以上に増しています。
「安全は全てに優先する」、「安全は1日にして成らず」、毎日職場で実施されている朝のミーティング、作業前の危険予知活動など、一つ一つの活動・取り組みをマンネリ化させることなく、常に高い安全意識を持って継続していくことが重要です。
「自分たちの職場からは、絶対に労働災害を発生させない」全ての職場で、全組合員が、このような意識を常に持ち続けながら、毎日のお仕事に臨んでいただくとともに、常に風通しの良い、何でも言い合える職場作りに努めていただきたいと思います。
2点目は、私たち電力関連産業を取り巻く状況についてです。
電力システム改革第2弾として2016年4月から電力小売り全面自由化がスタートし、2年が経過しました。電力会社やガス・石油会社などのエネルギー関連企業だけでなく、商社や鉄道、地方自治体など様々な企業等が電力小売りに参入し、その数は約470社と言われています。四国電力においても約1割のお客様が離脱していると聞いており、今後の囲い込み、また、奪還が課題となっています。
このような中、一昨年の8月に再稼働を果たし、昨年の10月まで無事に安全安定運転を果たしてきた、四国電力伊方発電所3号機ですが、定期検査中の昨年12月、広島高等裁判所における抗告審で、四国電力の主張が認められず、まさかの運転差し止めの仮処分決定が出されました。無事故無災害で定期検査に取り組んでこられました、原子力関連職場で働く組合員の落胆は、想像を絶するものだったと思いますし、私たち組合にとっても到底承服できるものではありません。
現在、広島高等裁判所の異議審において、四国電力が、改めて様々な証拠資料を提出していると聞いています。早期に仮処分命令が取り消され、1日でも早く再稼働を果たし、低廉かつ安定した電力が供給されるよう心から願っているところです。
3点目は、2018春季生活闘争についてです。
2018春季生活闘争については、全国電力総連の方針を踏まえ、賃金カーブ維持分の確保や、「経済の自律的成長」などマクロの観点からの所得向上、電力関連産業を支える人材の維持・確保などに資する賃金引き上げなどをめざした取り組みを進め、ほとんどの加盟組合が要求を行いました。
賃金交渉では、各加盟組合が「経済の自律的成長」や「賃金の社会性」の観点と、職場組合員の貢献努力について主張を行いました。経営側は、厳しい経営状況や財務状況にもとづく主張を続け、交渉は難航しましたが、粘り強い交渉を重ねた結果、18組合中4組合(四電工、四国電気保安協会労組、志度CC労組、YMW労組)がベースアップを獲得することができました。
また、賞与・一時金については、「年間4ヵ月を最低水準」として取り組みを進めた結果、9組合が4ヶ月を上回り、また5組合が半期で2ヶ月を上回る水準で、妥結に至っております。
現時点でも(6月5日時点)、1組合(四国工商ユニオン)が交渉中であり、今後の解決状況を踏まえて、四国電力総連としての総括をしていきたいと考えております。今次春闘における妥結結果は、厳しい経営環境にありながらも、「人への投資」の重要性について、労使が共通認識を持ち、真摯に取り組んだ結果であると受け止めています。今後も各加盟組合と密に連携しながら、有利解決に向けた取り組みを展開していきたいと考えています。
4点目は、政治活動についてです。
来年は、春の統一地方選挙と、夏の参議院議員選挙が予定されており、12年に1度の選挙イヤーとなります。
まず、春の統一地方選挙には、徳島市議会の「武知ひろゆき」氏が4期目挑戦、高知市議会の「清水おさむ」氏が3期目挑戦、高松市議会の「大西さとし」氏が3期目挑戦、そして、空席でありました愛媛県議会に「新田さとし」氏が初挑戦で臨みます。すでに各県連絡会では、後援会活動の進め方等について議論をスタートさせており、これから入会活動を展開していくこととなります。会社業務も大変お忙しいとは思いますが、4名の組織内候補者全員の必勝に向け、各加盟組合の全面的なご協力をよろしくお願い致します。
次に、来夏の第25回参議院議員通常選挙においては、既に現職の浜野よしふみ参議院議員の推薦を決定しています。皆さんご存知のとおり、昨年の衆議院総選挙から野党の集散離合等のゴタゴタが続いてきましたが、先月初めに民進党と希望の党によりまして、やっと新党「国民民主党」が設立されました。私たちの代表であります「小林正夫」「浜野よしふみ」両議員は、新党「国民民主党」に参加することとなりました。
今通常国会では、先日まで、森友・加計問題やセクハラ、消えた日報問題など、私たち国民生活とは、かけ離れた議論ばかりが報道され、まさにワイドショー状態でした。また、働き方改革関連法案の審議もなかなか進まず、結局は強行採決によって参議院に送られています。
私たち労働組合は、働くことを通じて、一人の国民として社会に貢献できる「働き方改革」を求めているのであって、経営者のための「働かせ方改革」は望んでいません。
このような中、私たち働く者の目線で、また、電力関連産業の代表として、国政の場で発言していただけるのは、小林正夫・浜野よしふみ両参議院議員しかいません。
来年の決戦に向けては、前回の参議院選挙と同様に、各加盟組合と四国電力総連執行部との対話・理解活動を行いながら、展開していく予定です。合わせて「浜野よしふみを支援する会」への入会活動も組合員一人5人以上を目標として活動を展開していきます。
電力関連産業の発展のためにも、また、私たちの働く職場を守っていくためにも、組織内国会議員2議席は死守していく必要があります。
加盟組合の皆さんには、大きなご負担をおかけしますが、浜野よしふみ議員の2期目必勝に向けご理解とご協力をお願い致します。
最後に、代議員の皆さんの前向き、かつ、活発な討議により、共通認識を図り、次年度の活動が更に発展・充実することを願い、大会開催にあたっての挨拶とします。どうぞよろしくお願いいたします。
以 上
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