組合員の皆さまにおかれましては、輝かしい新年をご家族の皆さまとともにお迎えのこととお慶び申し上げます。また、年末年始も各職場で電力の安全・安定供給に務められました組合員の皆さまに、心から敬意を表するとともに感謝申し上げます。
<昨年を振り返って>
昨年は、世界各地で多くの紛争が発生した年ではなかったでしょうか。イスラム過激派によるテロ事件が多く発生するとともに、これらに対応した紛争が中東諸国で起こりました。そして罪のない人々が大きな心の傷を負わされたのではないかと思います。今年こそは世界が平和な年になるよう心から願いたいと思っています。
日本国内においては、大型台風の上陸や日本各地での火山の噴火など、大自然の脅威を目の当たりにしました。四国地域では甚大な被害はなかったものの、私たち一人ひとりがその脅威に対応できるようしっかりと備えをしておくことが必要だと考えさせられました。
また、私たち電力関連産業にとっては、様々なシーンで大きく動きがあった年だったと感じています。昨年3月には、これまで日本の電力の安定供給に大きく寄与してきた原子力プラント5基の廃炉決定が発表されました。そして、4月からは電力広域的運営推進機関の設立、更に6月には、送配電部門を法的分離する改正電事法第3弾の成立などがありました。
原子力関係では、九州電力川内原子力発電所1号機が再稼働し9月から営業運転を開始しました。国内の原子力発電所48基全てが稼働していない原子力ゼロの異常事態が1年11ヶ月ぶりに解消されました。続いて11月には川内2号機も営業運転に復帰し、今冬の需給安定に大きく寄与することとなりました。
四国電力伊方発電所3号機も、7月に原子力規制委員会から原子炉設置変更許可を頂くとともに、10月には伊方町および愛媛県の地元了解もいただきました。まだまだ再稼働への審査対応は続きますが、四国電力総連の仲間と共に、安全第一を大前提に一日でも早い再稼働を目指して頑張っていきたいと思います。
政治活動では、2月の多度津町議会選挙をはじめ、4月の統一地方選挙では、5名の四国電力総連組織内議員が大変厳しい戦いに挑戦されました。各陣営の後援会活動は、各職場の繁忙感が高止まりしていることや、組織内議員の地道な政治活動が浸透しきれていないこともあり大変厳しい戦いとなりました。しかしながら、各単組執行部の皆さんの積極的かつ献身的な応援をいただきました結果、候補者全員が無事当選を勝ち取ることができました。組合員一人ひとりの皆さんの力強いご支援に改めまして感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
<安全衛生の取り組み>
労働組合の最大の使命は、社会情勢がどう変わろうとも「雇用を守り、組合員の命と健康を守り、家族も含めた生活を守る」ことだと思っています。四電グループにおける作業災害は、昨年度の13件に対して、今年度は11月末現在で10件発生するとともに、絶対に起こしてはならない死亡災害も3件発生するなど、極めて憂慮すべき事態となっています。加えてメンタルヘルス不調者等も高止まりしていると認識しており、今後の本格的な大競争時代を迎えるにあたり大変心配しているところです。
「安全は全てに優先する」、「安全は1日にして成らず」、毎日職場で実施されている朝のミーティング、作業前の危険予知活動など、一つ一つの活動・取り組みをマンネリ化させることなく、常に高い安全意識を持って継続していくことが重要だと考えます。
家族のために一生懸命働く組合員の皆さんは、お父さんでありお母さんであり、家族・子供たちにとっては、かけがえのない世界中で最も大切な人なのです。また、職場で一緒に働く仲間の皆さんにも家族があり、家族を養い育てるという大きな責任を抱え、日々の仕事に全力で取り組んでいると思います。
そんな仲間を失わない、守っていくためにも、常に家族の事を想い、毎日のお仕事に臨んでいただくとともに、常に風通しの良い、何でも言い合える職場作りに努めていただきたいと思います。
<2016春季生活闘争について>
電力関連産業を将来にわたり健全に発展させていくためには、人材確保・育成、技術・技能の維持継承が最も重要です。そのためには、基本的労働条件の維持・向上といきいきと働くことのできる労働環境の実現をめざした取り組みが必要不可欠です。電力総連は、組合員とその家族の安定と安心、働きがいとやりがいを実感できる魅力ある産業をめざした取り組みを展開することとしています。
原子力発電所の再稼働がなかなか進まない中、今春からは電力小売全面自由化も始まります。私たち電力関連産業は、大競争時代の荒海に出航していくこととなります。電力の安全・安定供給の確保はもちろんのこと、四電グループが一体となった効率化施策への対応など、強い使命感のもと職場組合が積極果敢に挑戦し続けられる労働条件の確保が重要になってきます。
電力総連では、今次春季生活闘争に向けて経済成長と物価上昇に見合う実質生活水準の維持・向上や電力関連産業に相応しい労働条件を追及し、組合員とその家族の生活の安定と安心、労働意欲の向上につなげる取り組みについて論議を重ねています。
賃金については、賃金カーブ維持分の確保に徹底的にこだわるとともに、格差是正・復元やマクロの観点からの所得向上などをめざし2%程度の賃金改定に取り組むこととし、賞与・一時金については、年間賃金の一部として安定した生活給部分を最低限確保することを基本とした方針を策定する予定です。各会社の取り巻く状況を十分認識し、日夜懸命な努力を続けている組合員の頑張りに応えられるよう四国電力総連が一体となった取り組みを進めていきたいと考えています。
<参議院議員選挙への取り組み>
私たち労働組合の目的は、「組合員とその家族の生活向上や社会の平和と発展」を目指すことであり、労使間で解決できない法律をはじめ各自治体の条例については、政治の場で解決を目指さなければなりません。
電気事業を取り巻く環境は、東日本大震災を機に一変しました。特に原子力をはじめとしたエネルギー政策は国政の中で大きな方向転換がなされました。社会からの厳しい目線は現在も継続していますが、低廉かつ安定的な電力供給は、国民生活や我が国の経済社会の「血液」であり国の根幹を成す最も重要な基本政策のひとつです。
電力総連は、過去から組織内国会議員2名を確保しながら、電力関連産業の抱える様々な政治課題に対応してきました。3年前には新人「浜野よしふみ」氏を立派な成績で参議院議員として送り出すことができました。浜野議員は、原子力規制行政に関する破砕帯の問題、原子力発電所の40年廃炉問題などに、私たちの代表として日々奮闘いただいています。
このような中、今年7月には、私たちの代表「小林正夫」参議院議員が3度目の決戦を迎えます。小林議員は、電力システム改革をはじめ、スマートメーター導入への課題、長時間労働の問題など電力関連産業の抱える課題について、職場意見をストレートに国政の場へ届けていただいています。
特に電力システム改革第3弾の詳細設計については、これから具体的な議論がスタートしていきます。12年間に及ぶこれまでの経験と、多くの友好議員との連携を存分に活かしていただくことが重要です。
四国電力総連は、昨年から各単組執行部との対話・理解活動と「小林正夫を支援する会」への入会活動を展開しています。小林正夫議員は、今回も参議院比例代表選挙に挑戦します。電力総連の「小林正夫」として、組合員の皆さまの親兄弟、親戚・友人知人へと支援の輪を大きく拡げていただきたいと思います。
今年は、参議院選挙があることから各政党とも選挙目当ての政策を発表したり、重要政策の先送りを行う可能性があります。国会議員の中には世論調査の結果を気にして政策が定まらない人もいます。しかし、小林正夫議員の信念は変わりません。電気なしでは何もできない日本の社会・経済、そして国民生活を守るために、電力の安定供給の大切さ、原子力発電の必要性を訴え続けています。
健全なエネルギー政策の実現と、電力関連産業の発展を図っていくうえで、今夏の参議院選挙は極めて重要な戦いとなります。四国電力総連の組織力・政治力が試される戦いであり、四国電力総連に働く仲間の自信と誇りを取り戻す戦いでもあります。「職場を守り、雇用と生活を守る」ため組織の総力を結集し、必ずや立派な成績で「小林正夫」議員を国政に送り出しましょう。
<結びに>
本年が、組合員とそのご家族の皆さんにとって素晴らしい幸多き一年となることをご祈念申し上げ新年のご挨拶とさせていただきます。今年も四国電力総連の仲間の絆と信頼を太く強くしていきましょう。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
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