<野口会長 新年のご挨拶> 四国国電力総連組合員の皆さん、新年明けましておめでとうございます。 2003年・新年をご家族ともども、お元気で迎えられたこととお慶び申し上げます。 また年末年始を、本来ならご家族で帰省とかレジャー、休養で過ごすところを、交代勤務、案件対応などのため勤務に就かれた関係者の皆さんのご労苦をねぎらいと思います。大変ご苦労さまでした。 昨年は、全国の仲間を四国遍路・お接待の心で迎えた第22回電力総連大会、西日本生産性会議を始め、連合・電力総連・四国総連大や地域活動への参加など、組合の諸活動にたいへんなご支援・ご協力をたまわり厚く御礼申し上げます。 さて、新年の年頭に当たり、一言ご挨拶させていただきます。 まずは国内経済についてですが、バブル崩壊から10年以上たった今も低迷を続け、デフレ不況の深刻化、遅々とした不良債権処理、5.5%に達した完全失業率(失業者数362万人)など、改善の兆しが見られるどころか、悪化する一方です。 根本治療を求められている経済・政治・社会的構造改革テーマについても、政治の強力なリーダーシップが欠如し、責任を取らない、その場しのぎ・懸案先送りは一層ひどくなっており、若い世代層への後年度負担は、国の活力をそぐ、取り返しのつかない問題になってくるものと懸念されます。 四国の景況感も全国同様停滞しており、電機産業を始め製造業を中心に四国外はもとより、中国・東南アジアへの工場移転のケースもあり、地方連合・働く仲間の雇用を守る活動面からも厳しい現実に直面しております。 電力労使にとっては、電力自由化論議の進展に対応したコストダウン施策の浸透で、四国総連各単組も過去に経験したことのない厳しい環境にあります。 また、昨年8月29日東京電力・原子力発電所の自主点検データの不適切記載問題が発生し、一連の対応に追われていますが、この負の影響は今後とも続きそうな様相です。 私たちは電力総連大会でも確認されたとおり、“東京電力だけのことか?、原子力職場だけのことか?”といった原点に立ち戻り、コンプライアンス確立、風通しの良い企業・職場風土づくりに取り組んでいるところです。 以上のような現状認識をふまえ、3点にしぼり所信の一端を申し上げたいと思います。 ◇ 総連仲間、スクラム組んで電力自由化を乗り切ろう! 総合資源エネルギー調査会・電気事業分科会での電力制度改革・自由化論議は、当面は発送電一貫供給体制が堅持される方向ですが、送電部門の公平・透明性確保、電力取引所創設など制度設計の結果如何では、私たちにとって厳しいものとなることが予想されます。 マスコミでは、2005年度以降に契約電力50Kw以上のお客様まで電気料金を自由化するのが妥当、と報道されております。2005年と言えばすぐそこです。 また、京都議定書・CO2削減値クリア、核燃料・重量税アップ、炭素税・環境税の検討、核燃料サイクル・プルサーマル計画の遅れなどは、企業体力・財務体質強化が急務の電力業界にとって、終わりなきボディブローとも言えるテーマになりつつあります。今後の展開次第では地方電力会社の競争力低下に拍車がかかる、私たちにとっては雇用環境、労働条件を根底から揺るがす状況に発展することにもなりかねません。 四国エリアでは、現制度下でも既に昨年7月から2医科大学・契約電力8,200KwがPPS(特定規模電気事業者)供給契約になったという現実があります。言うまでもなく、企業の存続無くして私たちの雇用確保、生活基盤の安定確保はあり得ません。四電企業グループの労使で英知を絞り、切磋琢磨しながら乗り切りを図っていかなくてはなりません。その過程では雇用確保を第一義に一定の労働条件見直しやワークシェアリングも避けて通れない課題になります。ただ、これまで営々と積み重ねてきた取り決め・労働条件が、労使間での十分な交渉・協議なしで、なし崩し的に改定されることは到底容認できないスタンスはしっかり示していきます。 この4月には、四電産業と愛媛・徳島・高知の3総合ビジネス会社が統合し、新会社としてさらなる飛躍発展が期待されます。また、今後四電グループのポテンシャルを活かした新規事業の開拓、雇用確保策も順次展開されるものと思われます。 以上のような私たちを取り巻く環境をまずは直視することが必要ですが、これから「四国電力・関係会社等労使懇談会」「03春季生活闘争職場討議」「総連・経営対策検討委員会」などの場を通じて、さらに本音で前向きの論議を重ねて、共通認識の醸成・情報の共有化もはかり、明るい挨拶の交わされる、安全で活力あふれる職場づくりに努めていきます。 電力自由化乗り切りに、今こそ四国電力総連、19組合・11,300名グループ仲間のパワー結集が必要です。組合行事・研修等への積極的参加と組織力アップへ、ご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。 ◇ 統一地方選挙、明るく勝とう! 四国電力総連はこの4月実施の統一地方選挙に(前段実施の選挙を含めて)計11名を組織内候補者として擁立し、全員の高位当選を目指して取り組んでいます。 いずれも現職で、組織内はもとより、地域社会と行政とのパイプ役を十分こなし、また地域社会と共に歩む四電グループにとってもなくてはならない活動を実践しており、私たちが責任を持って送り込む人物・存在感のある議員であります。 “政治と金”に象徴される政治離れ、平成大市町村合併、また弱い者や働く私たちのみにしわ寄せされる社会保険料・税金増など、個々の企業内労使関係だけでは解決できない命題にも、いま清新で国民・住民の負託に応える政治・議員が求められています。 私たちの声を政治の場に!・・・当該単組・支部・分会を中心とした活動となりますが、四国総連全組合員が自分のこととして全面的ご支援をいただきますよう、よろしくお願いいたします。 ◇ 高付加価値、充実したマイライフを! 現在は「個の時代」と言われるように自分自身の生き方・ポリシーを持って、自分の人生を切り拓いていくことが強く主張される時代です。会社の仕事はしっかりやる。休暇もしっかり取る。サービス残業は当然のことながら絶対しない。 一人の自分として生涯学習、趣味、スポーツ、環境問題、ボランティア活動等、悔いを残さない、デフレ下に高付加価値、コラボレイトな生き方へチャレンジしていきましょう。 我が愛する四国地方に根ざし、これからも信頼・支持される企業グループの一員として、世界遺産に匹敵する「お四国八十八カ所」、エーゲ海に負けないと言われる「瀬戸の多島美」・・・・を始め、各地域の歴史、文化、自然にも深く接し、愛していただきたいと思います。 各単組1歳、新たな1年・歴史を刻みます。四国電労も今年9月から、ターニングポイントの結成51年目に突入しますが、電労委員長の立場から発言させていただきますと、固いスクラムでここまで育んでいただいた四国総連の皆さんに改めて感謝し、共に喜びを分かち合い、新たな“夢旅立ち”へご支援・ご指導をいただければと考えております。 今年が皆様とご家族にとって、健康で明るく、実践メモリーを刻む、実り多い充実した1年間でありますように! 2003年(平成15年) 1月 1日 |
野口会長 | 「今年もよろしくお願いします」 〜各単組代表者〜 |