平成10年(1998年) 新年のご挨拶   
四国電力総連 
会長 黒田予士

  明けましておめでとうございます。   
  皆様におかれましては、ご家族お揃いで新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

  平成となって10年の節目を迎えました。年号の「内平らかに外成る地平らかに天成る」の願いとは裏腹に、平成時代は激動・激変の幕開けの様相です。
  平成の前半は、ベルリンの壁やソ連邦崩壊、自民党分裂、非自民の連立内閣の発足など大きな歴史の転換に立ち会った気持ちで、前途の光明を見る思いでした。
  しかし、平成の後半は、無節操、無責任の村山内閣が登場してから奇怪しくなり、阪神・淡路大震災、東京地下鉄サリン事件、バブルの重い後遺症、そして、今日の金融不安と閉塞感は極限の状態であります。
  打開の道はまだ見えてきません。ある新聞が、1年に渡って、改革・再生の道を求め、取り組んできた結論は「たどりついたのは、われわれ一人ひとりが自らを改革しないうちはこの国は再生しない」という、厳しいものでありました。
  そして、「政治家も官僚も悪いが、一番悪いのは投票にも行かず、何かあれば国に頼るか、非難するしかできない国民自身だ」と読者からの投稿を紹介し、「手ごたえはある、日本が危機的状況に陥った今こそ、次世代のためにも、一歩踏み出そう」との呼びかけは、今日の日本に一番、的を得ていると思うのであります。

本年は参議院選挙の年、もしかすると衆議院選挙もあるかもしれません。「個の自立と責任で、我々が日本を再生」の処方を真剣に考えて、選挙はもとより自らの職場・生活の場にも置き換え、対処して行きたいと思うのであります。

電気事業は、本年2年からの電気料金の引き下げ、また、2000年初頭に向けての更なる引下げへの期待など、未曾有の困難期を迎えようとしております。
  今、国をあげてあらゆる分野で、高コスト体質からの脱却に取り組んでいるのは、ご存知のとおりであり、自分たちの働く職場において、コスト低減に取り組むのは社会的使命だと考えております。
  しかし、取り組みにあたっての基本的理念は、生産性三原則(事前協議、雇用確保、公正配分)を堅持し、私たちの職場・生活を共に守っていくことであります。
  前途は厳しくとも、「暗ければ暗いほど明るく」「厳しければ厳しいほど強く」「困ったときほど爽やかに」のキャッチフレーズで、今年も果敢に挑戦して行きます。組合員の皆さん方のご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。

平成10年が、再生出発の年になりますよう、また、今年が、組合員とそのご家族の皆様にとって、幸せ多い年でありますよう心から祈念し、年頭のご挨拶といたします。